この回路を直す

さて、前回、回路のビット不正を見つけたところでした

これを上司に報告すると、「あっ間違えちゃった。じゃあ修正してね」

私は呆気に取られていました。

当時まだ素人だった私は、基板の回路が間違えていると言うことは

切腹ものの致命傷だと思っていました。

回路を書き直して、間違えた基板は捨てて、一からやり直し

費用も何十万円もかかると思っていました。

ところが、上司はあっさりハンダごてを持ってきて

ピンを加熱して針で持ち上げました。

更に、基板の配線をカッターでカットして、センサーの出力からワイヤーで引出しました。

普段ほとんど何も教えてくれない上司ですが、この時はやり方を教えてくれました

20箇所ある修正点のうち、2箇所を終えると

「っていう風に直すんだよ」って言って、残りは俺に預けました。

「え〜、俺の間違いじゃないのに俺が直すのかよ」

って当時は思ったのですが、結果としてこの作業をしておいて良かったです。

他の全ての作業にいえることですが、ハードウェアの開発には様々なシチュエーションが発生します。自分が間違える事も他人が間違える事もあります。それらに柔軟に対応する為に、可能な事は自分でやって見ておく事が必要です。

 

 因みに間違えていた回路とは、この時のイメージセンサーは1ピクセルが10ビットで

10ピクセルを同時に出力します(100ビット)

でも、FPGAでは100bitを受けるだけのピンの余裕が無いので8ビットだけを使用する事にしていました。

下位2ビットを切り捨てると、回路は8ビットカメラとして動作する事になるのですが

今回は上位2ビットを切り捨ててしまいました。

飽和の処理ができない為、色が折り返す結果となりました

 

信号をジャンパーした基板は、ワイヤーだらけになりましたが

ちゃんとした絵が出る様になりました。

めでたしめでたし 

 

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ピンを持ち上げる